イライラの中医学

こんにちは。店長の櫻井です。今日は昨日のストレスのお話の続き、っと言うわけでもないですが、中医学で考えるイライラを急性・慢性、そしてそれぞれの対処法に分けてお話します。

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中医学的イライラ

中医学でイライラは「煩躁(はんそう)」と呼ばれています。煩躁のは、煩わしいという自分が感じている症状で、は客観的に見られる症状ですので、煩躁とは、自分から見ても、他人からみても「イライラしている」という状態です。

煩躁は心火(しんか)肝火(かんか)といった「火熱(かねつ)」が原因です。心火では、焦りがあって、いてもたってもいられない状態や不眠、動悸、胸苦しさを感じ、肝火では、イライラがつよく、怒りっぽい、ヒステリーなどが特徴的な症状です。

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激しい急性のイライラ

「普段は気にならないような事なのに、必要異常に過剰な反応をしてしまった。」「イライラが自分でも抑えきれなかった。」そんな経験はないでしょうか。

中医学が考える急性のイライラの原因には、思いや悩み、恋愛が成就しないときや欲求が満たされないときなどに起こりやすい「心火(しんか)」によるイライラと、人間関係やプレッシャーなど精神的なストレスや怒りなどから起こる「肝火(かんか)」によるイライラがあるとされています。

どちらとも症状的には似たものが多く、心火か肝火かどちらが主体になっているのかを見分けるのは難しいですが、いてもたってもいられない、焦り、動悸や不安、胸苦しいなど、胸のあたりの症状を感じる場合は心火ヒステリックな反応や耳鳴り、頭痛などがかぁーっと頭に血が上るような状態は肝火が強くなっているかも?と推測をたてます。

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急性のイライラの対処法

心火・肝火、どちらのイライラも「火」が原因なので、それを消すしたり、冷ましたりすることがイライラを鎮めるための対策法です。心火の場合は、心火を冷まして、心神を安定させる「精心安神(せいしんあんじん)」の作用を持った漢方薬が使われます。心の熱をとる食材には、緑豆 淡豆鼓 マコモ茸 わらび 百合根 梨 キィウィフルーツ スイカ 菱の実 卵黄などがあります。

肝火の場合は、肝火を鎮める「清肝瀉火(せいかんしゃか)」と心神を安定させる「安神(あんじん)」の作用をもつ漢方薬が使われます。肝の熱を抑えるには、羅漢果(らかんか)や、すももなどもおすすめです。

心を安定させる安神作用をもつ食材は小麦 蕨 春菊 青梗菜 百合根 山芋 蓮の実 ヤマブシタケ 梅 桃 ライチ ナツメ  酸棗仁 龍眼肉 豚心 鶏卵 イシモチ 牡蛎 鮑 椎茸、豚ハツ等がありあます。上記の食材に合わせて食べるようにすると良いです。

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ナツメです。良いものはフカフカで甘くて美味しいです。

慢性的なイライラ

慢性的なイライラは、急性的なイライラの様な思い悩みやストレスなどの明らかな原因がないのにも関わらず、イライラが慢性的に持続する状態です。急性期のように激しいイライラではありませんが、なかなか落ち着かない、反復するイライラ状態です。

慢性的なイライラには、お酒の飲みすぎ、辛いものや脂っこいもの、甘いものなどの過食などが引き金となったり、上記の心火や肝火の処置を誤り、慢性化し、津液(しんえき)*と呼ばれる体内の潤いを煮詰めてしまい、痰(たん)**が生まれ、それに心火や肝火などの火熱が結びつき、「痰熱(たんねつ)」になった、「痰熱上擾(たんねつじょうじょう)」や、心火、肝火、痰熱などの火熱や、長期間の病気、老化、性生活の過剰、大量の発汗などで津液を消耗し、陽気を抑制できなくなった、「陰虚火旺(いんきょかおう)」の二つがおもな原因と考えられています。

痰が原因の痰熱上擾ではイライラ、不眠、動悸に加えて、驚きやすい、痰が多い、吐き気、胸苦しい、めまいなどを感じる「痰の症状」が特徴です。津液の損傷による陰虚火旺では、イライラ、焦りにくわえて、のぼせ、ほてり、口の渇き、寝汗など陰虚症状(いんきょしょうじょう)がみられるのが特徴です。

津液とは、人の体に存在する正常な水分、潤い。組織や器官を滋潤し、それぞれが円滑に働くように助けています。食べ物や飲んだ水分から作られ、一部は血になります。余分ものは、つばや涙、汗や尿として排泄されます。

痰とは、体内の水分の排泄や処理が追い付かず、停滞して生まれた「湿」が、集まってできた、粘性のどろどろとした物質。脾胃(消化器系)で生まれ、肺に溜まりやすく、気や血の運行を妨げる。

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慢性的なイライラへの対処法

痰が原因の痰熱上擾の場合は、熱を冷ますと同時に痰を無くす「清熱化痰(せいねつかたん)」の作用をもった温胆湯、竹筎温胆湯、黄連温胆湯などを使います。もちろんイスクラ温胆湯もよく使います

この場合は、痰を生まないように心がけることが大切ですので、脂っこい食べ物、味の濃い食べ物、甘いものやお酒はできるだけ控えるようにしましょう。化痰の力を持った食材には豆乳 春菊 大根(生) 玉葱 黒くわい ヘチマ 生姜 マッショルーム さくらんぼ 梨 キンカン 干ミカン スイカの種 ピーナッツ 枇杷(びわ) エビ ハマグリ くらげ 燕の巣 海苔 鳥龍茶などがあります。大根、冬瓜、黒クワイ、海藻、昆布には、熱をとりつつ、痰をなくす力があり、特におすすめです。

潤い不足が原因となる陰虚火旺の場合は、潤いである津液を補いつつ、火熱を下す滋陰降火(じいんこうか)の力を持った漢方薬が使われます。潤いを補ってくれる食材には、黒米 もちごめ 黒豆 白菜 アスパラガス 山芋 白きくらげ きくらげ 梨 ぶどう 桑の実 豚肉 豚皮 鴨肉 鳥骨鶏 鴨卵 鶏卵 卵黄 鮎 スッポン ナマコ あわび イカ 牡蠣 アサリ 燕の巣などがあります。茄子、ミカン、レモン、リンゴなどには、潤いを生むと同時に、熱をとる力もあるとされるので、イライラした時に食べると良いでしょう。

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レモンなどの「香り」はストレス発散に効果的です。お気に入りの香りを見つけてくださいね。

イライラしないために

思い悩んだり、ストレスや欲求不満を感じているとき、人はイライラすると中医学では考えます。さらに、病気を長い間患ったり、過度な性生活、老化や過食・多飲でもイライラしてしまうことはあるといいます。そうならないためには、普段からさっぱりしたもの、熱のこもらない食事を心がけ、思い悩みすぎることなく、執着しすぎることなく、心を柔らかく、穏やかに保つことが大切です。

まぁ、それがそんな簡単ではないからみんなイライラするんですけどね。

そんなときは、漢方がきっと助けになるとおもいます。どの症状でも、どの漢方薬を使うかは、それ以外の症状、身体の状態などによりますので、専門家にご相談ください。イライラして、自分や周りを傷つける前に、是非ご相談くださいね。