カテゴリ:PMS

中医学で生理前を快適に過ごす

月経が始まる1週間前頃から、 イライラしたり、落ち込んだり、 ニキビが出来たり便秘になったり…そうです。PMS:Premenstrual Syndrome/生理前症候群です。

月経前の1週間ぐらいからイライラしたり、甘いものが欲しくなったり、ニキビが出て、胸が張って痛んだりなど不快な症状に見舞われるPMS。ホルモン変化の無い男性には体験できないですが、まずは知って理解してみましょう。

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PMSの代表的な症状には、イライラする、怒りっぽい、憂鬱、集中力がなくなるなどの精神症状や、頭痛、めまい、疲れやすい、不眠などの神経症状に加えて、便秘、胸が張る、むくむ、ニキビができるなどの身体的症状がありますね。

PMS症状が見られる「月経前」は「黄体期」といって、月経後から大事に育てて来た(実際はもっと長いが)卵子を排卵した後で、卵を育てていた「卵胞ホルモン」に変わって、受精卵が着床しやすいように内膜をフカフカにして体温を高温でキープするための「黄体ホルモン」の働きが活発になる時期です。このホルモンバランスの変化が自律神経に影響したり、細胞内に水分を溜めたり、皮脂腺の分泌が活発になるため、むくんだりニキビが出やすくなったり、のぼせたりイライラしたりしやすくなります。

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中医学的「PMSの時の体」

中医学では、本来通常レベルの変化であるこれらの影響が不快な症状となった状態を肝血の不足により、体内の気の循環が停滞した状態と捉えています。

 中医学でとは体を正常に動かすためのエネルギーです。また気は外敵から身を守ったり、体温を維持したり、血流や飲食物を動かしたリ・内臓を動かしたリ、血液や汗・尿などが必要以上に漏れ出ないようにしたり、汗を尿に変化させたりなど様々なことを行っています。そしてこの気が、体のどの部分に適当な量流れることを調節しているのが五臓のの仕事です。

 月経前というのは、中医学では、全身の(けつ/栄養や潤いのこと)が子宮に集まる時期なので、全体的に不足しがちになります。特に肝は「血の蔵」と呼ばれ、全身の血液倉庫であるとともに、肝自体も血の栄養作用により正常に機能しているので、血が不足することで肝の気の巡りを統制する作用が低下してしまいます。こうして血の不足に加えて、気の巡りが停滞することで、実に様々な不調が見られるようになります。

イライラ、怒りっぽい、胸が張る、不眠、頭痛、食欲が増す/落ちるなどは、気の流れが渋滞してしまった状態と考えます。ひどくなるとその渋滞は「熱」を帯びるようになり、カーッとなるイライラが悪化したり、感情が爆発したり、赤いニキビができるような症状がみられます。もともと胃腸が弱いとか、弱いうえに食べ過ぎたとか、そういう場合は、PMS時期に浮腫みや便秘がみられることがあります。

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タイプ別PMS対策

PMSは症状により大まかに、「肝気鬱結(かんきうつけつ)」「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」「肝脾不和(かんぴふわ)」の3タイプに分かれます。

症状と対策がそれぞれ違うので、ご自身がどれに当てはまるかチェックしてみてください。

肝気鬱結

■イライラ・怒りっぽい
■髪ぱさぱさ、抜け毛、白髪
■乳房の張りと痛み
■眠気が強い
■めまい

気分のアップダウンと疲労が強いタイプ。ストレスや睡眠不足、疲労で悪化します。血を補い、気を巡らせることが大切です。
イチゴ、人参、レバー、鶏肉、ナツメ、黒豆、黒ゴマ、茸、ネギ、セリ、セロリ、パクチーなどがオススメ。

漢方では、婦宝当帰膠、心脾顆粒、逍遥丸、加味逍遥散などを使います。
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肝腎陰虚

■ほてり
■冷たいものが欲しい
■肌がカサカサ
■ニキビ
■体が重怠い

ほてりやニキビでだるくなるタイプ。腎が消耗してるので、クコの実や黒豆など「補腎」食材を、エビや牡蠣、アサリなど魚介と一緒に摂りましょう。

漢方では、瀉火補腎丸、二至丹、杞菊地黄丸などを使います。
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肝脾不和 

■腹痛
■食欲低下
■胃もたれ
■下痢
■甘いものを欲する

無性に甘いものが欲しくなるタイプ。冷たいもの、暴飲暴食を避けて、胃腸をのケアをする長芋などを豚肉と一緒にスープにして摂りましょう。

漢方では、健脾散顆粒、健胃顆粒、晶三仙などを使います。
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***PMSの予防には食がある程度有効です。ただし症状となって感じられる程になっている場合は、漢方薬をしっかり使って改善することお勧めします。どの漢方薬を使うかは体調、体質によって違うので、是非一度ご相談ください。

勿論、血の不足や気の巡りの悪化だけではなく、昨今では、ストレスフルな生活や、冷えやすい服装、歩かない、食生活の悪さ、夜更かしなどもPMSを悪化させる可能性があります。

PMSが出やすい人は、ストレスが多い、感情を抑えこみがちな性格、仕事が忙しいすぎる、夜勤や寝る時間、起きる時間がバラバラなどといった不規則な生活リズムなどが生活習慣に見られます。また栄養や潤いそしてエネルギーを作り出す原料が食事からうまく摂取で来ていないことも考えられます。

食を見直し、こまめなリフレッシュを心がけて、レバーやクコの実、ニンジンなどの血を補う「補血 食材」や、香味野菜やかんきつ類などの気を巡らせる「理気 食材」等を適度に摂って生理前を快適に過ごしましょう。また見守るご主人やボーイフレンドも、女性にはホルモンの変化による体調の変化があることを理解することも、生理前を快適に過ごせるヒントになると思います。

まずは食で予防。そしてどうにもつらい場合は、私ども漢方の専門家に御相談くださいね。