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今日のご飯は何ですか?
こんにちは。
ミドリ薬品漢方堂
国際中医専門員の阿部です。
ご相談に来てくださる方に近日のお食事内容、どんなものをよく食べているか、好きな食べ物など必ず質問しています。
朝ごはんでお米を食べている方って、少ないんです。
朝は食べない方も多いですね。
私自身も高校生くらいから、朝ごはんを食べる習慣がなく、朝から食欲すらわかなかった。
今は朝からお腹がすくようになり、朝ごはんはお米を食べています。
おかげで一日元気で過ごせるようになりました。
日々の食べるものは、体にいいものでも過剰摂取すると害になりますので、バランスのよい食事が大切になります。
中医学では、体全体を考えながら、ひとりひとりそれぞれの体質や特徴を重視して、内臓のバランスを整えることで病気を治療します。
病気の原因に対して、さまざまな角度から分析し(食事の乱れ、精神ストレス、過労、睡眠不足、運動不足、天候や環境の異常など)体質改善しながら治します。
その中でも「薬食同源」という考え方があるように、「自分の体質にあった食養生」を実行することが大切です。
摂り過ぎると体に負担になるものを下記に挙げましたので、日々の食べているもので下記のものが多くないか確認してみてください。
●甘いもの 例:チョコレート、菓子パン、甘いお菓子やジュースなど
(滞る性質なので、体内に湿邪※が生じる)
●油ものや肉類 例:揚げ物・てんぷら・ポテトチップス・各種肉など
(消化吸収しにくいので、体内に湿熱が生じる)
●香辛料の多いもの 例:唐辛子・カレーライスなど
(刺激性が強く熱性があるので、体内に熱が生じる)
●洋食品、加工食品 例:ファーストフード(ハンバーガーなど)・ケーキなど
(消化吸収しにくいので、体内に湿熱が生じる)
●牛乳、卵、(大豆)、魚介類
(高タンパクで消化吸収しにくいので、体内に湿熱が生じる)
●生のもの、冷たいもの、冷凍もの 例:刺身・アイスクリームなど
(胃腸を冷やし、消化吸収機能を低下し、体内に湿邪が生じる)
※果物の食べ過ぎにもご注意ください。
●コーヒー (興奮性が強いので、体内に熱が生じる)
●アルコール類 例:ビール、お酒など(湿熱が生じる)
●タバコ (熱毒が生じる)
上記の高糖質、高タンパク、油っこいもの、冷たいものは消化吸収しにくいので、中医学でいう脾胃(消化器系全般)の機能を低下させ、体内に「湿熱病邪」※1を生じさせます。
この湿熱病邪は「経絡」※2を通じて全身のあちこちへ運ばれ、さまざまな病気が生じる原因となります。例えば、内臓のバランスを崩すと内臓病になり、皮膚の働きを阻害すると皮膚病になり、血液に影響し「湿熱血熱」になると、皮膚の赤みや痒みなどが現れます。
頭部に影響すると眩暈(めまい)や頭痛になり、足腰に影響すると腰痛や膝の痛み、疲れやすい、足が弱くなったりするなど、あらゆる病気が発生する可能性があります。ご相談に来られる方にも漢方薬の吸収率も低下させるので、なるべく過剰摂取はさけていただくようお話しています。
※湿邪(しつじゃ)
飲み物や食べ物などが体内に入って消化吸収できず溜まると、体にとって悪いものになります。中医学ではこの体に悪いものを湿邪(しつじゃ)といいます。
※1湿熱病邪(しつねつびょうじゃ)
湿邪が体内に長く溜まると、一部は熱に変わり、湿邪と混じりあって、湿熱病邪になる。この湿熱病邪はしつこくて、体への影響は湿邪よりひどくなります。漢方薬にはこの湿熱を取り除くことにより病気を治療する処方が多くあります。
※2経絡(けいらく)
人間の臓腑や体全体など、お互いに連結する情報伝達のネットワークのことを指します。
~健康になるために、毎日の基本として習慣にしてほしいこと~
◇煮物や和食を中心に「腹八分目」で良く噛んで食べる
(できればパン食よりご飯が好ましい)
◇季節の旬の野菜、特に青い葉っぱなど火を通してたっぷり食べる
◇いろいろな種類の食材をバランスよく摂ることが大切
◇適度に汗をかく
◇適度に運動する
◇朝日や木漏れ日など、やさしい日光を適度にあびる
◇生活リズムを守る。特に睡眠や食事のリズムなど
◇水や緑茶、紅茶を飲む
◇季節の果物を適量摂る
食事の比率は、穀類4~5割、野菜4割、動物性1~2割
穀類とは米や小麦、大豆、稗(ひえ)、粟(あわ)、黍(きび)など。
野菜とは主に葉物を中心とした季節のもの。
動物性とは肉、魚介類、卵、牛乳、乳製品などを指します。
中医学では、脾胃(消化器系全般)を重視しており、体のエネルギーの源で「後天の本」と言われています。後天の本とは脾胃の働きを強調する意味で、脾胃が飲食物を消化吸収して、その栄養素を全身へ運び人間の総てのエネルギー源となります。体の健康維持に最も重要な役割を果たしていることを指しています。
お忙しくされている方がほとんどですから、手軽に食べられるものが一番かも知れません。
ですが、日々の食べたもので私たちの身体は作られています。
元気で楽しく過ごす為にもその原料は大事。
身体が元気じゃないと好きなことも仕事も何もできなくなりますからね。
毎日のことだからこそ軽視してしまいがちな食事、ご自身や周りの大切な方の健康の為にもこれを機会に考えてみてはどうでしょうか^^
どうしても難しい方は、まずは体に負担になるものから少なくしてみることをおすすめします。
※本文は日本中医薬研究会 元気になる食養生のススメから抜粋・改変いたしました